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(所属カテゴリー:IPルーティング---投稿日時:2003年11月30日)
経路集約をさらに推し進めたものとして、「デフォルトルート」があります。デフォルトルートとは、すべての経路を指し示す特殊経路のことで、「0.0.0.0/0」で表します。
ルータはパケットのIPアドレスとルーティングテーブルを照合して、一致するエントリがないとパケットを転送することができずにパケットを破棄してしまいました。しかし、デフォルトルートの設定がされていると、ルーティングテーブル上に一致するエントリがない場合は、デフォルトルートの転送先(ネクストホップアドレス)にパケットを中継します。
デフォルトルートは「Last Resort」とも表現され、「残された最後の経路」といった意味合いです。
経路集約によって、次の図における支社ルータBの他の拠点へのルーティングテーブルエントリは、2つにまで減らすことができました。
ですが、この2つのエントリをよく見てみると、ネクストホップはどちらも同じルータAです。支社の中のネットワーク以外は、ルータAに転送すればいいので、この2つの経路をデフォルトルートに集約すると、ルータBの他の拠点に対するルーティングテーブルエントリは次のようになります。
ルータBのルーティングテーブル(他の拠点へのエントリ)
ネットワークアドレス | ネクストホップ |
0.0.0.0/0 | ルータA |
ルータCも同様に、他の拠点に対するルーティングテーブルエントリは次の通りです。
ルータBのルーティングテーブル(他の拠点へのエントリ)
ネットワークアドレス | ネクストホップ |
0.0.0.0/0 | ルータA |
ルータB、ルータCは自分が知らないネットワーク宛てのパケットは全部ルータAに任せてしまうわけです。ですから、もちろんルータAでは、きちんと各ネットワーク宛てのエントリがないとルーティングされなくなってしまいます。
デフォルトルートは、インターネットに接続するルータで設定されることも多いです。インターネット上の経路は非常にたくさんあり、2002年現在では10万を超えているといわれます。10万を超える経路を普通のルータのルーティングテーブルに載せることはできませんし、普通のルータですべての経路をルーティングテーブルに載せることのメリットはありません。
そこで、社内のネットワークに対するエントリは、きちんとルーティングテーブルに登録します。その他のネットワーク、つまりインターネット上のネットワークへルーティングするためのエントリとしてデフォルトルートを設定し、ネクストホップとしてインターネットサービスプロバイダのルータを指定します。
インターネットサービスプロバイダのルータは、インターネット上のすべてのルートを知っているので、インターネットサービスプロバイダにパケットを送ってしまえば、あとはルーティングしてくれるということです。