「クラウドコンピューティング」。よく耳にするようになったバズワード、い わゆる流行語です。
クラウドは、主にインターネットを指していてます。インターネット上のコン ピュータリソースを使いたいときだけ簡単に利用できるようにするというサー ビス、またはそれを実現するための枠組みがクラウドコンピューティングです。 今回レビューで取り上げた日経コミュニケーションの記事には、クラウドコン ピューティングの概要とその提供形態、主なベンダの実際のサービスついてま とめられています。
クラウドコンピューティングと似たような考え方は、これまでにも何度も提唱
されていますよねぇ。SunとかIBMとか昔似たような考え方を言っていたような
記憶があります。昔も似たような考え方があったにもかかわらず、いまあらた
めてクラウドコンピューティングという考え方が注目されているのは、固定/
移動通信の高速化や仮想化やグリッドコンピューティング、分散データベース
などの技術が発展してきたことにあります。
インターネット上に分散している膨大なコンピュータリソースを仮想化などの
技術で柔軟に利用できるようになり、コンピュータリソースへの通信を高速か
つシームレスにできるようになっていることが大きなポイントでしょう。
クラウドコンピューティングの提供形態として、次の3つあるようです。
- SaaS(Software as a Service)
- PaaS(Platform as a Service)
- HaaS(Hardware as a Service)
それぞれ、クラウド上のコンピュータリソースをどういうレベルでまとめてユ ーザに提供するかの違いです。SaaSはクラウド上のコンピュータリソースをソ フトウェアの形でユーザに提供します。PaaSはアプリケーションの実行環境を ユーザに提供し、HaaSは仮想的なサーバ環境をユーザに提供します。
記事では、主に米AmazonのHaaS「Amazon Elastic Comupute Cloud(EC2)」や米
GoogleのPaaS「Google App Engine」などアメリカのベンダのクラウドコンピュ
ーティングサービスが紹介されています。料金を見ると、ものすごく安い。
Amazon EC2は、普通のWebサーバとしては十分なスペックの仮想サーバ環境を1
時間あたり10セント~で利用できるようです。1ヶ月フルに稼働させても8000円
程度。Google App Engineは、Webアプリケーションの月間500万ページビューま
で無償。
AmazonやGoogleは、自身のインフラをサービス提供の基盤としているようです。
100万台規模のコンピュータリソースを効率よくまとめてスケールメリットを
出すことができているので、ここまでの破格の価格設定にできるんですね。
すべてのシステムをクラウドコンピューティングに移行するのは、まだまだ現 実的ではないようですが、クラウドコンピューティングを利用すれば圧倒的な スピードとコストメリットが得られるでしょう。
また、NTT/KDDI/ソフトバンクなど国内キャリアの取り組みについても紹介さ れています。クラウドコンピューティングによって、自身の通信回線の契約を 促すようなユーザの囲い込みを意図しているようです。ただ、AmazonやGoogle ほどのスケールメリットを活かした価格設定はまだ無理のようです。サポート などを考えると、国内のキャリアのサービスを利用したいと考える企業は多い と思いますが、外資よりも魅力的なサービスを提案できるかがこれからの大き な課題になっていきそうです。
クラウドコンピューティングは、システムのパラダイムシフトといった声まで 上がっているとのこと。クラウドコンピューティングの概要と現状について知 るためには、今回の記事はとてもオススメです。ぜひ、一読してみてください。